Ferrari Japan Cup 2025 第7・8戦〜2レースともに表彰台を獲得し、シリーズ王者に輝く

TAKUMIモーターオイルがエンジンオイルを全面供給する Hitotsuyama with CORNES RACINGは、2025年9月13日〜14日、三重県の鈴鹿サーキットで開催された「Japan Cup 2025 Round 7&8 SUZUKA」のGT3 Pro-Amクラスに、Ferrari 296 GT3で参戦しました。

最終戦となる鈴鹿大会にシリーズランキング2位で臨んだチームは、ラウンド7(レース1)で3位、ラウンド8(レース2)で2位を獲得。最終的にシリーズポイントでライバルを大きく上回り、参戦1年目でシリーズチャンピオンに輝きました。

公式予選

Hitotsuyama with CORNES RACINGは、Ferrari 296 GT3を所有する株式会社ガイアホールディングス、レース専用車両での走行をサポートする「CORNES RACING」を運営するコーンズ・モータース株式会社、そして、国内トップクラスのレース活動に関するノウハウを持つHitotsuyama Racingのコラボレーションにより実現したプロジェクトです。

初挑戦となる今シーズンは、ブロンズドライバーの都筑晶裕とシルバードライバーの川端伸太朗という布陣でGT3 Pro-Amクラスに参戦しています。ここまでは、開幕となる菅生大会ではラウンド1、ラウンド2ともに3位、次の富士大会ではラウンド3が2位、ラウンド4では優勝を飾り、ポイントランキングはトップに。ところが、前回の岡山大会では接触やセットアップの不調から表彰台を逃し、ランキングは2位にダウン。それでも「追う立場のほうが気持ちは楽」とポジティブな思考で、最終大会の鈴鹿に臨みました。

予選前日の9月12日は、晴れ、雨、くもりと、目まぐるしく天候が変わる不安定な空模様のもと、有料テスト、公式プラクティス、ブロンズセッション、そしてプレクオリファイが行われました。序盤こそセッティングに迷い、エンジニアとドライバーは苦戦しましたが、午後に大幅な変更を行ったところ川端が好タイムを記録し、都筑も乗りやすくなったと話すなど好感触を得て、チームはこれなら戦える」と確信しました。

そして迎えた13日、分厚い雲の隙間から、ときおり夏の日差しが差し込む鈴鹿サーキットでは、9時ちょうどから予選1/予選2が各15分間行われました。

まずは9時ちょうどから、ラウンド7(レース1)の決勝グリッドを決める予選1に、ブロンズドライバーの都筑が挑みました。都筑は6周目に2分3秒425をマークし、さらにセッション終盤に向けてタイムアップに挑みましたが、目前でスピンする車両やクラス違いのマシンに引っかかるなど不運が重なり、自己ベストの更新はなりませんでした。にもかかわらず、都筑はトップからわずかコンマ127差で4番手につけました。

9時22分からはラウンド8(レース2)に向けた予選2が行われ、プロドライバーの川端が出走。3周走行後、満を持してタイムアタックした川端は2分0秒652をマーク。クリアラップが取れればあとコンマ3〜4秒は速いタイムが期待できましたが、それでも川端は3番グリッドを獲得し、ラウンド7の都筑とともに、セカンドロウからスタートすることになりました。

Qualifying 1 Result
P1 #24 Max Racing Mercedes-AMG GT3 Evo
P2 #666 seven x seven Racing Porsche 911 GT3 R
P3 #18 TEAM UPGARAGE with ACR Ferrari 296 GT3
P4 #296 Hitotsuyama with CORNES RACING Ferrari 296 GT3

Qualifying 2 Result
P1 #45 PONOS RACING Ferrari 296 GT3
P2 #9 BINGO RACING with LM corsa Ferrari 296 GT3
P3 #296 Hitotsuyama with CORNES RACING Ferrari 296 GT3

ラウンド7(レース1)

13日の午後には、ラウンド7(レース1)の決勝レースが行われました。スタート前に降りだした雨で鈴鹿の国際コースはウェットコンディションになり、チームは急遽、スリックタイヤからレインタイヤに履きかえてマシンをスターティンググリッドに送り出しました。

ラウンド7は都筑がスタートを担当。雨のためセーフティカースタートになり、3周目からバトルが開始されます。都筑はスターティンググリッドと同じ4位をキープし、その後も、3番手の#18 TEAM UPGARAGE with ACR Ferrari 296 GT3と5番手の#45 PONOS RACING Ferrari 296 GT3と接近戦を展開しながらポジションを守ります。

10周を終えたところで都筑がピットへ。この時点で雨は小降りになり、各チームは難しいタイヤ選択を迫られます。#296 Hitotsuyama with CORNES RACING Ferrari 296 GT3は、シリーズタイトルを争う#9 BINGO RACING with LM corsa Ferrari 296 GT3と#666 seven x seven Racing Porsche 911 GT3 Rがレインタイヤを選択したことから、これに足並みを揃えてレインタイヤを選択し、川端にマシンを託しました。

川端は全車がピットストップを終えた時点でトップに浮上。ところが、ピットストップでスリックタイヤを装着するという賭けに出た#18 TEAM UPGARAGEと#45 PONOS RACINGが、圧倒的に速いペースで次々とポジションを上げていきます。#296 Hitotsuyama with CORNES RACINGは19周目に#18 TEAM UPGARAGEに、22周目には#45 PONOS RACINGにオーバーテイクを許し、3位にポジションを落としました。一方、やはりレインタイアを履く#666 seven x seven Racingが#296 Hitotsuyama with CORNES RACINGの後方から迫りますが、川端はファイナルラップの26周目まで#666 seven x seven Racingを抑え込んで3位表彰台を獲得し、この時点でポイントランキングトップに返り咲きました。

Round 7(Race 1) Result

P1 #18 TEAM UPGARAGE with ACR Ferrari 296 GT3
P2 #45 PONOS RACING Ferrari 296 GT3
P3 #296 Hitotsuyama with CORNES RACING Ferrari 296 GT3

ラウンド8(レース2)

14日、上空に雲が広がる鈴鹿サーキットでは、ドライコンディションのもと、9時ちょうどからラウンド8(レース2)の決勝が始まりました。予選2に挑んだプロドライバーが前半を担当するこのレースでは、川端がスターティングドライバーを務め、2周のフォーメーションラップののちに戦いの火蓋が切られました。シリーズ争いを考えると、とにかくマシンを無事に都筑につなぎたい川端は、混乱するスタート直後のコース上で慎重を期し、#181 NORIK RACING Ferrari 296 GT3、#666 seven x seven Racing Porsche 911 GT3 R、#18 TEAM UPGARAGE with ACR Ferrari 296 GT3の3台の先行を許し、6番手にポジションを落とすことになります。

その後川端は、5位を走る#18 TEAM UPGARAGEと、7番手の#555 MAEZAWA RACING Ferrari 296 GT3との三つ巴のバトルを展開し、15周を終えたところで、ライバルに先駆けマシンをピットに戻しました。前日のラウンド7(レース1)で3位表彰台を獲得した#296 Hitotsuyama with CORNES RACINGはピットストップ時間に5秒が加算される不利な条件となりましたが、都筑はピットストップ前と同じ6番手でコースに戻ることができました。

ここからしばらくの間、都筑は5位の#555 MAEZAWA RACINGと、7位の#18 TEAM UPGARAGEとの接近戦を続けます。一方、その前方では#9 BINGO RACING with LM corsa Ferrari 296 GT3と#666 seven x seven Racing Porsche 911 GT3 Rが、シリーズタイトルを賭けた激しい3位争いを演じていました。すると21周目、ヘアピンでこの2台が接触して、ともに戦線から離脱。これにより、#296 Hitotsuyama with CORNES RACINGは4位に浮上し、さらに25周目には3位を走行する#555 MAEZAWA RACINGがポジションを落として、都筑は表彰台圏内の3位までポジションを上げました。

ここからは、2位の#181 NORIK RACING、3位の#296 Hitotsuyama with CORNES RACING、4位の#18 TEAM UPGARAGE、5位の#24 Max Racing Mercedes-AMG GT3の4台が2位争いを繰り広げます。そして、終了直前の27周目のシケインで、チャンスをうかがっていた#24 Max Racingが#181 NORIK RACINGのインに飛び込みますが、止まり切れずさらにスピン。この混乱の中、#296 Hitotsuyama with CORNES RACINGの都筑は冷静な判断で#181 NORIK RACINGをイン側からかわして2位に浮上しました。

都筑は残るファイナルラップも力強く走り切り、見事2位表彰台を獲得するとともに、Hitotsuyama with CORNES RACINGにシリーズタイトルをもたらしました。

Hitotsuyama Racing代表の一ツ山亮次は、「手強いライバルが参戦するなかで、シリーズも初めて、Ferrari 296 GT3も初めてというHitotsuyama with CORNES RACINGは苦戦する覚悟でしたが、開幕戦から表彰台を獲得し、その後も8戦中6戦で3位以内を走ることができたおかげで、シリーズタイトルを獲得できたのをとてもうれしく思います。このJapan Cupはふたりのドライバーの平均点で競うレースだと思いますが、都筑晶裕と川端伸太朗の組み合わせが最も平均点が高く、それがこの結果につながったのでしょう」と、ふたりのドライバーを讃えました。

ドライバーとチーム、そして、それを支えてくれる人たちや企業のおかげで掴んだシリーズタイトルは、今後の活動において大きな自信になると思います。シーズン中の皆様からの応援に感謝するとともに、これからのHitotsuyama with CORNES RACINGの活動にもご期待ください。

Round 8(Race 2) Result

P1 #45 PONOS RACING Ferrari 296 GT3
P2 #296 Hitotsuyama with CORNES RACING Ferrari 296 GT3
P3 #18 TEAM UPGARAGE with ACR Ferrari 296 GT3

使用エンジンオイル 特注品 5W-40 for Ferrari 296 GT-3

 

関連記事