第6戦〜2位で速さを見せるも、表彰台は幻に

第6戦〜2位で速さを見せるも、表彰台は幻に

Hitotsuyama Racingは、2024年10月26日〜27日、岡山県の岡山国際サーキットで開催されたENEOS スーパー耐久シリーズ2024 Empowered by BRIDGESTONE 第6戦「スーパー耐久レースin岡山」のST-Zクラスに参戦しました。

9番手スタートの#21 Hitotsuyama Mercedes-AMG GT4は、各ドライバーの速さに加えて、ピット戦略や天候の変化に対する臨機応変な対応が功を奏し、前半から表彰台圏内のポジションをキープし、最後は2位でフィニッシュ。ゴール後の車検で、最低地上高がわずかに足りず失格となりましたが、速さを見せることができたレースでした。

公式予選

2024シーズンの残すところあと2戦。Mercedes-AMG GT4での初表彰台を目指すHitotsuyama Racingは、岡山での3時間レースにレギュラーの4ドライバー体制で臨みました。すなわち、A:山脇大輔、B:ショーン・ウォーキンショー、C:ジェームス・プル、D:川端伸太朗という顔ぶれです。

10月26日(土)の午後、薄曇りの岡山国際サーキットでは、決勝レースのスターティンググリッドを決める予選が行われました。スーパー耐久ではAドライバーとBドライバーの合算タイム順でスターティンググリッドを決定します。

まずは13時55分から、ST-Zクラスを含むグループ1のAドライバーによる予選がスタート。#21 Hitotsuyama Mercedes-AMG GT4をドライブする山脇は4周目に1分39秒820をマークすると、その後も6周目、7周目に自己ベストを更新し、1分38秒121までタイムをアップしました。順位はクラス10番手でしたが、ライバルチームのAドライバーとの差はレースを重ねるごとに縮まり、山脇の成長ぶりがうかがえます。

続いて14時50分にはグループ1のBドライバー予選がスタート。ウォーキンショーは3周目、いよいよタイムアタックに入るというところで、コース上に他のマシンが停止したため、セッションは赤旗中断に。その後、再開したセッションで、5周目にマークした1分36秒494のベストタイムはクラス5番手でした。

山脇とウォーキンショーの合算タイムはクラス9番手となり、総合18番手からのスタートが決まりました。

決勝

厚い雲が上空を覆う岡山国際サーキットでは、10月27日(日)13時30分から、グループ1の3時間レースが始まりました。このレースではドライバー交替を含む2回のピットストップが義務づけられており、Hitotsuyama Racingでは当初、スタートドライバーとしてウォーキンショーを起用し、その後、山脇、プルの3名で3時間レースを走りきる予定でした。

1周のフォーメーションラップのあと決勝レースがスタート。ウォーキンショーはオープニングラップで2つポジションを上げてクラス7位、さらに5周目には6位と好調な滑り出しを見せます。その後、決勝ペースが遅いST-TCRクラスの車両に行く手を阻まれる場面もありましたが、13周目にはそれらをかわし、クラス5番手の#555 REVISION AMG GT4に迫っていきます。そして18周目に#555をオーバーテイクして5位に浮上すると、その後も先行するライバルを次々と抜き去り、41周目にはクラス2番手に。そして48周目を終えたところで1回目のピットストップを行いました。

本来、山脇が第2スティントを担当する予定でしたが、ウォーキンショーのスティントの途中から雨がポツリポツリと降り始め、この先、強まることが予想されます。そこで、こうした状況を得意とするプルが急遽ステアリングを握ることに。チームはスリックタイヤのまま、リア2本のみを交換して、プルをコースに送り出しました。すると案の定、雨が強まりますが、プルはスリックタイヤのままのマシーンを懸命にコントロールし、同様にスリックタイヤのままのライバルよりも数秒速いペースで周回を重ねていきます。そしてついに60周目、プルはクラストップに踊り出、67周を終えたところでピットへ向かいました。

この時点でレースの残りは約1時間。このあと、天候が回復に向かうと踏んだチームは、給油作業のみ行い、山脇をコースに送り出します。クラス3番手でコースに復帰した山脇は、スリックタイヤを履くマシンと格闘しながらも、1分40秒台の速いペースで周回を重ね、全車が2回のピットストップ義務を果たした90周にはクラストップまでポジションを上げていました。その後、プロドライバーが乗る#34 TECHNO FIRST R8 LMS GT4にトップを譲りましたが、後方から詰め寄る#555や#52 埼玉 GB GR Supra GT4とうまくギャップを保ち、最終的には#34から11秒330遅れの2位でフィニッシュしました。

ところが、ゴール後の車検で最低地上高が1mm足りないことが発覚。フロントタイヤ無交換、リアタイヤ1回交換作戦を採ったために、予想以上にタイヤが摩耗した可能性があります。これにより#21 Hitotsuyama Mercedes-AMG GT4は失格にとなり、今季初表彰台は幻となりました。

それでも、ピット戦略や臨機応変な判断、さらにはドライバーおよびチーム全員の奮闘により、速さを示すことができたのは事実です。最終戦となる富士ではこの速さのまま、今度こそ表彰台を獲得したいと思いますので、引き続き皆様の応援をよろしくお願いします!

第5戦〜怒濤の追い上げ5位でフィニッシュ~