17日の富士スピードウェイは、前日とは打って変わって青空が広がり、汗ばむほどの好天に恵まれました。今回の4時間レースは、ドライバー交替を含む3回のピットストップと、Aドライバーに対して60分の最低周回が義務づけられます。チームは、スタートドライバーに川端を起用。序盤から上位を狙いながら、万一セーフティカーが導入されるような事態が発生したなら、すぐさま川端をピットに呼び戻して、山脇に交替させるという作戦を考えていました。
1周のフォーメーションラップのあと、12時29分、レースはローリングスタートが切られました。クラス11番手の川端はオープニングラップで10位に順位を上げると、その後も果敢な走りで4周目には9位、7周目には8位、9周目には7位と、次々とライバルをかわしていきます。このままさらにポジションを上げていきたいところでしたが、12周目にST-3クラスのマシンにアクシデントが発生し、ガードレールを大きく破損させたことから、FCY(フルコースイエロー)となり、その後、セーフティカーが導入されました。
この事態にチームはすぐに対応し、14周を終えたところで山脇に交替。タイヤ交換は行わず、給油のみで山脇の乗る#21 Hitotsuyama Mercedes-AMG GT4をコースに送り出します。山脇がコースに復帰したあとも、しばらくセーフティカーランが続きますが、18周目に入った13時12分にレースは赤旗中断に。14時20分にはセーフティカー先導でレースは再開されますが、中断時間を考慮し、Aドライバーの周回義務時間は43分に短縮されます。
セーフティカーラン中のドライバー交替が功を奏して、山脇は一時3位に浮上。残る30分ほどの周回義務を見事に走り切り、35周を終えたところでピットストップ、ウォーキンショーに交替しました。このときもタイヤ交換は行わず、ピットストップの時間を短くしたことで、ウォーキンショーは7番手でコースに復帰。ここから追い上げようとしますが、38周目にST-Zクラスの一台がダンロップコーナー手前でクラッシュし、またもやガードレールを大きく破損させたことから、2度目の赤旗中断になりました。
レースは残り30分となる16時ちょうどに、セーフティカー先導で再開されますが、2度目の赤旗中断でレース時間がさらに短くなったことから、ドライバー交替の義務が3回から2回に変更。当初、セーフティカーランが終了したところで、プルにドライバー交替するはずでしたが、すでに2回のドライバー交替を終えているHitotsuyama Racingは、ウォーキンショーにゴールまでマシンを託すことにしました。
リスタートの時点で#21 Hitotsuyama Mercedes-AMG GT4はクラス6番手でしたが、上位には2回のドライバー交替を終えていないマシンが3台おり、表彰台獲得が現実味を帯びてきました。案の定、#555 REVISION AMG GT4と#5 マッハ車検 GR Supra GT4 EVOがピットストップで順位を落とす間に、ウォーキンショーは4位に浮上し、前を走る#20 NANIWA DENSO TEAM IMPUL Zに迫り寄ります。
ところが残り11分というところで、FCYが導入され、ウォーキンショーの追い上げも一時中断。その後、残り6分でレースが再開され、ウォーキンショーは#20 NANIWA DENSO TEAM IMPUL Zを見事にパスして3位に浮上。このままレースはゴールを迎え、#21 Hitotsuyama Mercedes-AMG GT4は3位で今季初表彰台を獲得しました。
2024シーズンを終え1年を振りかえると、マシンをAudi R8 LMSからに変更した当初こそMercedes-AMG GT4を理解するのにすこし時間を要しましたが、シーズン中盤以降はチームもドライバーもマシンに慣れ、上位を狙える状況が続いていました。その成長ぶりを、今回、3位表彰台獲得で証明し、良いかたちでシーズンを締めくくることができました。1年間、Hitotsuyama Racingの応援、ありがとうございました。
来シーズンについては詳細が決まり次第お知らせしますが、さらなる挑戦の年を、また皆さんと一緒に頑張りたいと思っていますので、引き続き、応援のほどよろしくお願いいたします!