第3戦〜60kgのウェイトに苦しめられながらも、篠原拓朗が前年チャンピオンの意地を見せる

第3戦〜60kgのウェイトに苦しめられながらも、篠原拓朗が前年チャンピオンの意地を見せる

Audi Team Hitotsuyamaは、2021年7月24日〜25日、宮城県のスポーツランドSUGOで開催された「TCR Japan Series 2021 Round 3 SUGO」にAudi RS 3 LMSでスポット参戦しました。

2020シーズンチャンピオンの篠原拓朗は、60kgの性能調整ウェイトに苦しめられましたが、2度の表彰台と1度のファステストラップ獲得することで意地を見せました。

Saturday Series/Sunday Series 1 Qualify

今回のSUGOは、第2戦のAUTOPOLIS大会で中止になったSunday Seriesの決勝レースを補うため、土曜日の24日にSaturday SeriesとSunday Series 1、日曜日の25日にSunday Series 2を行う変則的なスケジュールになりました。

Audi Team Hitotsuyamaは、TCRジャパンシリーズ2020のSaturday Series/Sunday Seriesでチャンピオンを獲得した篠原拓朗をドライバーに起用し、第3戦のSUGOにスポット参戦しましたが、性能調整を細かく行うためのCompensation Weight(以下CW)が60kgに設定され、これが篠原に重くのしかかります。

 

まずは24日の午前8時5分から15分間の予選が行われ、このベストタイム順でSaturday Seriesのスターティンググリッドが、セカンドベストでSunday Series 1のスターティングリッドがそれぞれ決まります。

篠原は前半にセカンドベストの1分28秒906、後半にベストの1分28秒230をマークしますが、CWが30kgと少ないVWゴルフGTI TCRの#18 松本武士選手にはベストタイム、セカンドベストタイムともにわずかに及ばす、Saturday Series、Sunday Series 1ともに2番グリッドからのスタートになりました。

Saturday Series Final

夏の日差し照りつけるスポーツランドSUGOで、24日の午後0時15分から、23分プラス1周のフォーマットで、Saturday Seriesの決勝レースが行われました。

2番グリッドの篠原は気負いすぎたのか、スタートでエンジンをストールさせてしまい、最後尾の8位にポジションダウン

エンジンを再始動しているうちに前7台との差が開いていきます。

 

ここから反撃に転じる篠原でしたが、60kgのウェイトの影響は大きく、ジェントルマンドライバーをオーバーテイクするにも手こずる状況。

6周目を終えたところでなんとか5番手まで浮上し、10周目には4番手を行くAudi RS 3 LMSの#65 加藤正将選手を1秒以内にまで追い詰めますが、オーバーテイクするのは難しい状況です。

レースは16周でゴールを迎え、篠原はこのまま5番手でフィニッシュ。その後、上位選手が再車検で失格となったため、篠原の4位が確定しました。

Sunday Series 1 Final

昼過ぎに比べ少ししのぎやすくなったスポーツランドSUGOでは、午後4時30分からこの日2回目の決勝レースが始まりました。

2番グリッドの篠原は、またしてもスタートを失敗して最後尾まで順位を落とすことに。それでも、すぐさま2周目に6位、3周目には5位までポジションを挽回し、#65 加藤選手、Honda Civic TCRの#97 三浦 愛選手との3位争いに突入しました。

6周目に#97 三浦選手をかわして4位に浮上した篠原は、同じAudi RS 3 LMSで戦う#65 加藤選手を追う展開に。

コーナで追い詰める篠原でしたが、60kgのCWによりメインストレートでは差を広げられ、なかなかオーバーテイクできない状況が続きます。

それでも11周目には、厳しい競り合いを制した篠原が#65 加藤選手の前に出て3番手に。

しかし、残りの周回で2位で先行するCupra TCR の#19 HIROBON選手を捉えることはできず、3位表彰台でこの日2つめのレースを終えました。

Sunday Series 2 Qualify

25日の午前9時30分からは、Sunday Series 2のスターティンググリッドを決める予選が15分にわたり行われました。

前日とは異なるマシンセッティングで臨んだ篠原は、限界まで攻めた結果、計測1周目に1分29秒330をマーク。

前日に比べて1秒100遅いものの、ライバルたちも軒並みタイムを落としていることを考えると、まずまずの結果といえます。

しかし、#18 松本選手には惜しくもコンマ050秒及ばず、3レース連続で2番グリッドからのスタートが確定しました。

Sunday Series 2 Final

相変わらず厳しい暑さが続くなか、午後2時26分から、このレースウイーク最後の決勝が始まりました。

注目のスタートは、篠原は上手く決めたものの、ポールポジションの#18 松本選手を捉えるまでにはいたらず、一方、2速へのシフトアップのタイミングが早すぎたという篠原に対して、4番グリッドの#19 HIROBON選手が1コーナーで並び、一瞬先行する場面も。それでも篠原は2コーナー先で2位を奪い返し、優勝争いに絡むポジションにたどり着きました。

しかし、この日のレースでも、60kgのCWが篠原のドライビングを苦しめ、メインストレートでの加速は鈍り、コーナーでのブレーキングも厳しいという状況が続きます。そのためレース中盤あたりからは徐々にペースを落とし、トップを走る#18 松本選手との差は少しずつ開いていきました。

最終的にはトップから4秒536遅れの2位でレースを終えた篠原でしたが、2周目にマークした1分29秒781のベストラップがこのレースのファステストラップになり、2020年チャンピオンの面目を保つことができました。

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