2023 Audi A1 Fun Cup Round 3 ~富士~
3月に筑波サーキットで開幕したAudi A1 Fun Cupは、7月22日、シーズン折り返しの第3戦が富士スピードウェイで開催されました。
午後2時25分から行われた公式予選では、開幕戦、第2戦ともにポールトゥウィンを果たした#110 近藤 匠が3連続ポールポジションを獲得。しかし、決勝レースでは、スポット参戦の#114 阿野雄紀がS耐参戦ドライバーの意地を見せ、A1 Fun Cup初勝利を手にしました。
前回の第2戦同様、Audi A1 Fun Cup第3戦も富士チャンピオンレースの一戦として開催されました。今回も14名のドライバーがエントリー。レギュラーの12名に加えて、2022シーズンにランキング3位の並木重和と、2020シーズンにランキング2位で、今シーズンはAudi Team Hitotsuyamaの#21「ベンチャー投資のファンディーノ Audi R8 LMS」のDドライバーとして参戦中の阿野雄紀が駆けつけました。例によってN1400クラス:6台、N1000クラス:2台、Beetle Fun Cupクラス:1台の計23台の混走で予選および決勝レースが行われます。
くもり空とはいえ厳しい夏の暑さがドライバーとマシンに襲いかかる富士スピードウェイでは、午後2時25分から20分間の公式予選が行われました。ピットエンドのシグナルがグリーンに変わると、まずは10台のマシンが、そして少し遅れて3台がコースに入ります。残る1台、#110 近藤 匠はピット前でコースインのタイミングをうかがいます。
さっそく2周目には#114 阿野雄紀が2分17秒750をマークしてトップに浮上。さらに次の周には2分17秒513にタイムを縮めます。これに2分18秒044で迫るのが#105 森 花海です。すると、遅れてタイムアタックに臨んだ#110 近藤が2分17秒391でトップを奪いました。
このあと、#114 阿野雄紀は2分17秒002が叩き出しましたが、#110 近藤はそれをさらに上回る2分16秒629をマークしてトップに返り咲き、3戦連続でポールポジションを獲得しました。2番手は#114 阿野雄紀選手。3番手にはセッション後半で2分18秒042を記録した#113 並木選手がつけ、ベテランの強さを見せました。
公式予選終了から約2時間後には、この日最後のレースとなるAudi A1 Fun Cupの決勝戦が行われました。他のクラスと混走で行われる決勝は、7番グリッドにAudi A1 Fun Cupトップの#110 近藤。そして、1台おいて9番グリッドから#114 阿野雄紀選手以下のマシンがスタンバイします。
午後4時55分、スタンディング方式により始まった決勝レースは、ポールポジションの#110 近藤がしっかりとスタートを決めてホールショットを獲得します。これに#114 阿野雄紀、#105 森 花海が続く一方、クラス3番手の#113 並木重和選手はスタートで出遅れ、5番手にポジションを落としました。
1周を終えたところでポジションは#110 近藤、#114 阿野雄紀、#105 森 花海、#104 飯島宗久、#113 並木の順。このうち、#110 近藤と#114 阿野雄紀の2台がトップ争いを演じることに。「2台の速さにはついていけなかった」という#105 森 花海は少し遅れて3番手を走行。その後方では、#113 並木選手がひとつポジションを上げ、#105 森 花海に迫っていきます。
レース中盤まで#110 近藤の背後でオーバーテイクのチャンスをうかがっていた#114 阿野雄紀は、6周目後半からプレッシャーを強め、ついに7周目の1コーナーでトップに立ちます。その後も勢いは衰えず、じわじわと#110 近藤との差を広げていきました。その後方を走る#105 森 花海は、2022最終戦で熾烈なトップ争いを演じた末に並木に勝利を奪われるという苦い経験がありますが、このレースでは#113 並木に付け入る隙を与えず3番手を守り通します。
10周のレースはこのまま終わりを迎え、#114 阿野雄紀が#110 近藤の連勝を阻みました。なお、#114 阿野雄紀の優勝はシリーズ参戦した2020シーズンを含めてこれが初めてです。2位は#110 近藤、3位は #105 森 花海、4位は#113 並木でした。
3戦を終えた時点で、シリーズポイントは#110 近藤が70ポイントでトップ。2位は55ポイントの#105 森 花海、3位は31ポイントの#108 野田 望となり、シリーズチャンピオン争いは#110 近藤と#105 森 花海の2名に絞られました。
10月8日の最終戦でこのふたりがどんな戦いを見せるのか、目が離せないレースになりそうです。