2024 Audi A1 Fun Cup Round 1 ~筑波~
Audi A1 Fun Cupカーを使い、“ヘルメットひとつで参加できる”JAF公認のワンメイクレース「Audi A1 Fun Cup」の2024シーズンがいよいよ始まりました。
2024年3月17日、筑波サーキットで行われた開幕戦は、初出場の坪井 拓がポール・トゥ・ウィンを果たしました。
これまで、筑波サーキット(1戦)と富士スピードウェイ(3戦)で開催されてきたAudi A1 Fun Cup。2024年はさらにスポーツランドSUGOでの1戦が加わり、全5戦でシリーズが争われます。その開幕戦がここ筑波サーキットで行われました。今回は11名のドライバーがエントリーし、#102 森 愼一、#103 橋本泰一、#104 飯島宗久、#105 阿野絵玲奈、#106 彦田訓昌、#107 野田 望、#108 古澤朋子、#109 森本祐一の8名が過去参戦の経験がある一方、#101 坪井 拓、#110 高橋安則、#111 東海林広貴の3名が初参戦です。なお、#101 坪井と#103 橋本はスポット参戦で、それ以外はシリーズで2024シーズンを戦います。
3月17日、青空が広がり始めた筑波サーキットでは、午前9時10分から15分間の公式予選が行われました。富士スピードウェイでのレースとは異なり、ここ筑波サーキットではAudi A1 Fun Cupが単独で開催され、ピットレーンに整列した11台のAudi A1 Fun Cupカーが、予選開始の合図ととともに一斉にコースに解き放たれていきます。
さっそく計測1周目にトップに踊り出たのは、約10年ぶりにレースに参戦したという#101 坪井で、1分12秒811をマーク。これを#104 飯島、#103 橋本が1分12秒台で追いかけます。すると計測2周目、今回がJAF公認レースのデビューになる#111 東海林が1分12秒232でいきなりトップに踊り出ました。#111 東海林はシミュレーターの経験はありますが、筑波サーキットを実際に走るのはこの週末が初めて。前日のスポーツ走行枠が取れず、ぶっつけ本番になりましたが、それだけにこの速さは驚きです。
#111 東海林は周回を重ねるごとにマシンやコースへの習熟度を高め、計測3周目に1分12秒を切ると、次の4周目に1分11秒500をマークしました。これを#101 坪井、#104 飯島、#102 森が追いますが、いずれも1分12秒を切ることはできず、15分のセッションは#111 東海林がトップで終えました。
ところが、予選終了後、#111 東海林は3度の走路外走行により、決勝時に3グリッド降格のペナルティが科されてしまいます。これにより、ポールポジションは#101 坪井が獲得。2番グリッドは#104 飯島、3番グリッドは#102 森、#111 東海林は4番グリッドからのスタートになりました。
公式予選の終了から約3時間経った12時21分には、決勝レースが始まりました。
注目のスタートは、ポールポジションからの#101 坪井に、2番グリッドの#104 飯島が迫りますが、#101 坪井は1コーナーで#104 飯島のオーバーテイクを許さず、トップを守ります。これに連なるように、#102 森、#111 東海林、#103 橋本、#106 彦田がグリッド順に先頭の2台についていきます。
レース序盤は、このまま#101 坪井と#104 飯島が3位以下との差を少しずつ広げていく一方、そのすぐ後ろでは、#102 森と#111 東海林による3位争い、#103 橋本、#106 彦田、#107 野田による5位争いが熱を帯びていきます。
レース中盤には#101 坪井がほぼ独走態勢を築き、また2位の#104 飯島も3位とのギャップを広げ、危なげない走りで周回を重ねていきます。それとは対照的に3位争いと5位争いはさらに激しさを増しますが、かろうじて順位はそのままの状態です。
レースが動いたのは12周目。3位争いを演じていた#102 森が「集中力が途切れてしまった」という隙に、#111 東海林がバトルを仕掛け、最終コーナーで#102 森のインからかわしていきました。3位に踊り出た#111 東海林は13周目と14周目、立て続けにファステストラップを更新し、その速さを見せつけます。一方、5位争いは14周目に#106 彦田が#103 橋本をオーバーテイクし5位に浮上しました。
レースはこのまま15周のゴールを迎え、#101 坪井が見事なポール・トゥ・ウィンを決めました。2位は#104 飯島、3位は#111 東海林、4位は#102 森、そして、5位は#106 彦田が続きました。
開幕戦を終えて、いつも以上にドライバーの実力が拮抗し、誰もがポディウムの可能性を秘めていることがわかった2024シーズン。次の第2戦は、2024年5月11日、舞台を富士スピードウェイに移して行われます。果たして誰が表彰台の中央に立つのか、ドライバーの皆さんの活躍にどうぞご注目ください。