エンジンオイルの種類とベースオイル

エンジンオイルの種類とベースオイル

|化学合成油、鉱物油、何がどう違うの?


基本的な内容ですが、皆さまのご興味の尽きない化学合成油や部分合成油、鉱物油など、エンジンオイルの違い。ここではそう言ったエンジンオイルの種類について、『ベースオイル』を切り口にご説明したいと思います。

エンジンオイルは大まかに言うと、その成分の約80%を構成する『ベースオイル』と、残りの約20%を構成する『添加剤』をブレンドしたものになります。エンジンオイルの種類はこの約80%を構成する『ベースオイル』の種類によって特徴が分かれています。


【エンジンオイルの種類=ベースオイルの種類】

ベースオイルの種類を下記に並べてみます。一般的には、上から下への並び順が性能順となります。


グループⅤ エステル系、動植物由来、その他グループⅠ~Ⅳに属さないもの全て

グループⅣ パオ(PAO/ポリアルファオレフィン)
グループⅢ 高度水素化分解基油
グループⅡ 鉱物油
グループⅠ 鉱物油

いずれのオイルも地下から採れる原油から作られますが、現在では化学的に精製、各種反応処理されたグループⅢ~Ⅴが化学合成油、グループⅠ、Ⅱが鉱物油として認識されています。


現在、最も需要が高いのはグループⅢベースオイルであり、品質と価格のバランスがよく世界でもっとも多く使用されている化学合成油となります。TAKUMIモーターオイルのラインナップでは、


HIGH QUALITYシリーズ(商品紹介ページ)
5W-20
5W-30
5W-40
10W-40

になります。街乗り~スポーツ走行まで必要十分な性能と価格がバランスしているラインナップです。


グループⅣ(PAO)は、精製工程において粘度調整の幅が大きく使い勝手のよいベースオイルですが、近年では価格が高騰しており、グループⅢと混合して使用することが多くなっています。TAKUMIモーターオイルのラインナップでは、


HYBRIDシリーズ(商品紹介ページ)
0W-16

0W-20
0W-30

ハイブリッド車や最新の低粘度エンジンオイルを使用する車両に最適です。

 

HYBIRDシリーズに加えて、


X-TREMEシリーズ(商品紹介ページ)
10W-40
10W-60

もPAO配合の製品です。この高粘度エンジンオイルは、サーキット走行で高回転を多用する車両やハイパワー車、チューニング車両に最適です。


更に、グループⅤ(エンジンオイルでは、主にエステル)は、ジエステル、ポリオールエステル、コンプレックスエステルなど種類があります。エンジンオイルの市場ではエステルが最も高品質なベースオイルという認識がありますが、極性の高いエステルは他の添加剤と混ざりにくくエステル単体でベースオイルとして用いることはありません。つまり100%エステルベースのエンジンオイルは存在しないのです。エステルは他のベースオイルと混合して安定性を高めるための添加剤的な役割を担うことが多くなります。TAKUMIモーターオイルのラインナップでは、

X-TREMEシリーズ(商品紹介ページ)
0W-40
5W-50

になります。低粘度~高粘度までをカバーするワイドレンジオイルなので、エステルを配合することで、安定性を高めています。こちらもサーキットでのレースやドリフト、ラリー車など競技系の車両を想定しています。

 


最後に鉱物油(グループⅠ、Ⅱ)ですが、グループⅠは主に船舶用や機械、工業用としての使用となり、自動車用エンジンオイルとしてはグループⅡの鉱物油が用いられます。現在では鉱物油自体の需要が減少しており、製造コストが上昇しています。そのため、需要が多く大量生産できる化学合成油と比較しても、価格面での優位性も失っています。但し、1960年~1980年代のいわゆる旧車、クラシックカーには一定の需要があるため、TAKUMIモーターオイルではSTANDARDシリーズとしてラインナップしています。


STANDARDシリーズ(商品紹介ページ)
10W-40


エンジンオイルの種類に関する解説は、如何でしたでしょうか。エンジンオイルの種類は『ベースオイル』を知ることで理解が深まりますね。今後、さらに詳しい内容も掲載していきたいと思います。

 

タグ:
F.P.B(ファイブ・ポイント・ブースター)の販売開始エンジンオイルの粘度と選び方