#21 Hitotsuyama BMW M2 Racingがデビュー戦でクラス2位完走

TAKMOとBMW M2 Racing、もてぎに刻んだ第一歩

2026年3月21日、栃木県・モビリティリゾートもてぎ。春の柔らかな日差しがサーキットを包む中、日本のモータースポーツ界に新たな歴史の1ページが刻まれた。「ENEOS スーパー耐久シリーズ2026 第1戦」において、Hitotsuyama Racingが新たに投入した「BMW M2 Racing」のデビュー戦である。

しかし、このプロジェクトの裏側には、単なるマシンの変更以上の意味が込められていた。それは、マシンのエンジンオイルを支える「TAKMO」にとっての、新たなる「矜持」を懸けた戦いの始まりでもあった。

序章:なぜ今、BMWなのか。TAKMOが見据える未来

Hitotsuyama RacingとBMWの縁は深い。1990年代から10年以上にわたり、BMWと共に数々の勝利を積み重ねてきた歴史がある。いわば、チームにとってBMWは「原点」である。しかし、今回のST-3クラスへの参戦決定は、単なる懐古趣味ではない。

現在、モータースポーツの最高峰はGT3やGT4といったカテゴリーに集約されつつある。しかし、その参戦コストとハードルは年々上昇し、本来あるべき「ドライバーの成長の場」としての機能が希薄になりつつあった。そこで白羽の矢が立ったのが、世界中でワンメイクレースの展開が予定されている新型カスタマーレーシングカー「BMW M2 Racing」である。

TAKMOはこのプロジェクトにおいて、マシンのポテンシャルを最大限に引き出すだけでなく、「誰もが挑戦できる、かつ本格的なレーシング環境」を技術面から構築するというミッションを背負った。

苦悩の事前テスト:立ちはだかる「重量」の壁

レースウィークを前に、hitotsuyama racing のエンジニアとメカニックたちは一つの現実に直面していた。ライバルとなるレクサスRC350に対し、BMW M2 Racingは車重が約100kg重いのである。

シミュレーション上のタイム差は1周あたり約3〜4秒。サーキットにおいて、この差は絶望的とも言える距離だ。

「乗りやすさは抜群だ。でも、物理的な重さが足を引っ張っている」

ドライバーたちの言葉を受け、ピットでは連日連夜のデータ解析が行われた。軽量化のためのカーボンパーツ導入は次戦以降の課題とし、今あるパッケージでいかに「もてぎ」のストップ&ゴーを攻略するか。足回りのセットアップとブレーキの耐久性に焦点を絞り、準備が進められた。

予選:若き才能の覚醒とベテランの意地

3月21日午前8時。冷え切った空気をつんざく咆哮とともに予選が始まった。

Aドライバーの鈴木建自が、熟練の走りで2分9秒704をマークし、クラス2番手を確保する。特筆すべきは、続くBドライバー予選に挑んだ藤井政至の走りだった。

レースキャリアわずか2年。hitotsuyama racingのエンジニアと共に一歩ずつ歩んできた藤井が、この大舞台で2分8秒851という、鈴木をも凌駕する驚異的なタイムを叩き出したのである。ピットのモニターを見つめるスタッフの間に、どよめきと確信が走った。

「このマシンと、このチームなら戦える」

合算タイムでクラス2番手、総合17番グリッド。hitotsuyama racingが仕上げたM2 Racingは、確かな戦闘力を証明した。

決勝:4時間のドラマと、襲いかかる試練

午後1時45分。4時間の長丁場が幕を開けた。

第1スティントはショーン・ウォーキンショー。国際経験豊富な彼の走りは、まさに「精密機械」だった。ライバルを次々とパスし、クラス首位を走る#39 RC350の背後まで詰め寄る。34周目には、チームベストとなる2分7秒539を記録。重量差をものともしない走りに、hitotsuyama racingのピットは熱狂に包まれた。

鈴木へと繋ぎ、安定したラップを刻んだ後、運命のタスキは若手の藤井へと渡された。初の決勝の重圧から、序盤こそ走りに硬さが見られたものの、hitotsuyama racingの無線での指示に応えるように本来のペースを取り戻していく。

しかし、レースの神様は容易にゴールを許してはくれなかった。

82周目。藤井から悲鳴のような無線が入る。

「ブレーキのワーニングが点灯した!」

緊急ピットイン。hitotsuyama racingのメカニックたちが電光石火の動きでマシンを取り囲む。原因は左フロントのブレーキフルード漏れだった。極限の熱にさらされるもてぎのブレーキ。懸念していたトラブルが、最悪のタイミングで顕在化した。

執念の完走:クラス2位の価値

ピット内での修復作業により、約15分のロス。首位との差は7周にまで広がった。普通なら戦意を喪失してもおかしくない状況だ。しかし、hitotsuyama racingの辞書に「諦める」の文字はなかった。

「まずは完走し、このマシンのデータを全て持ち帰る」

最終走者の飯島宗久に託された使命は重かった。修復したブレーキの感触を確かめながら、飯島は1ラップごとに精度を上げていく。終盤には自身のベストを更新する走りを披露し、ついに4時間のチェッカーフラッグを受けた。

結果はクラス2位。

完走は1台のみという過酷な状況下で掴み取ったこの表彰台は、単なる「2番目」以上の意味を持っていた。

結びに:鈴鹿へ向けたTAKMOの誓い

レース後、hitotsuyama racingのファクトリーにはすでに静かな闘志がみなぎっている。

今回のレースで浮き彫りになったのは、マシンの「重さ」と「ブレーキ」という明確な課題。そして、それを補って余りあるドライバーたちの成長と、マシンの素性の良さである。

「次戦の鈴鹿まで、やるべきことは山積みだ」

エンジニアたちは、もてぎで収集した膨大なデータを前に、すでに次なるアップデートの図面を引き始めている。BMW M2 Racingという新たな相棒と共に、TAKMOカープロテクションズの挑戦はまだ始まったばかりだ。

常勝を義務付けられた名門Hitotsuyama Racingと、その手足となって戦うTAKMO。

蒼い閃光が、再びサーキットの頂点に立つ日は、そう遠くないはずだ。

 

 

“愛車を守る品質。”

 

 

TAKMO(旧TAKUMIモーターオイル)では、レース用から街乗り用、旧車用まで豊富なラインナップで、お客様の好みに合うエンジンオイル・ギアオイルを各種取り揃えています。

【ラインナップの一部をご紹介】

 

 

MICRO TITANIUM MELT(マイクロチタン)シリーズ

5W-30/5W-40/10W-55/15W-60 

マイクロチタンシリーズは、高品質なベースオイル贅沢に使用し、スポーツ走行からサーキット走行まで耐えうる性能を与えられています。そこにのマイクロチタン技術によるエンジン保護性能をプラスしています。
そのフィーリングは、日常のドライブから長距離クルージングまで、エンジンの「上質さ」を極限まで高め「究極のしなやかさ」を目指したオイルです。高性能エンジンオイル+マイクロチタンによる潤滑性能とエンジン内部クリーニング作用をプラス。愛車を気持ちよく、長く乗りたい、かつハイスペックなお車に最適なエンジンオイルです。

 

 

X-TREMEシリーズ (高粘度エンジンオイル)

0W-40/5W-50/10W-40/10W-60

高回転を多用する乗り方、スポーツカーでサーキットを攻める!という方は、燃費よりもパワーが出せ、かつエンジン潤滑保護力が高い高粘度エンジンオイルがお勧めです。ハイパワー車、高性能車、サーキット走行に求められる「極限の純粋な力」追求したモデル。
愛車本来のエンジンパフォーマンスを発揮したい方に最適です。省燃費性能や強い清浄作用をお求めの方には不向きです。

高粘度というのも、あくまでSAE粘度10~20番アップが限界だと考えてください。それ以上の硬いオイルを使用するとオイルの粘度にエンジンパワーが負けてしまい、エンジン回転数の上昇が遅くなりクルマが重く感じるようになります。

5W-30 → 5W-50 or  10W-40  or  10W-50

もちろん、チューニングを施して、エンジンパワーを上げている車両はこの限りではありません。

 

 

HYBRID シリーズ

0W-16/0W-20/0W-30 (低粘度エンジンオイル)

燃費を重視する乗り方や、始動性が気になる方、国産の高年式スポーツカー(メーカー指定粘度が0W-16/0W-20/0W-30)にお乗りの方は、こちらの低粘度エンジンオイルであるHYBRIDシリーズがお勧めになります。
新型車はぞくぞくと0W-20の粘度指定が増えています。0W-16や0W-20で物足りなさや低粘度すぎる!と感じられる方には、0W-30がお勧めとなります。

ちなみに、HYBRID(ハイブリッド)と言うネーミングですが、ハイブリッド車用と言う訳ではなく、2種類のベースオイル(Gr.3+Gr.4)にハイブリッド処理を行い、製品化したことから名付けられました。ハイブリッド車以外にも使用できます。
また、アメリカ石油協会が認証する世界的なエンジンオイル規格である【API規格】を正式に取得しており、安心してご使用になれます。

 

 

HIGH QUALITYシリーズ (中粘度エンジンオイル)

5W-20/5W-30/5W-40/10W-40

普段は街乗りでサーキットには行かないけど、たまにアクセル多めに踏むよ、という方で、コスパの良い高品質な「万能スペック」エンジンオイルを使いたい!というユーザー様へ最適なエンジンオイルです。
エンジンオイルに求められる性能をバランスよく配合しており、粘度ラインナップも豊富なため、ご自身のおクルマに最適な選択が可能です。
HYBRIDシリーズ同様に、アメリカ石油協会が認証する世界的なエンジンオイル規格である【API規格】を正式に取得しており、安心してご使用になれます。

当社の主力製品でもあります。

 

「解説は読んだけど、やっぱり自分で選択するのは不安だ…!」という方へ!

TAKMO(旧TAKUMIモータオイル)では皆さまに合ったオイルや添加剤に関するアドバイスを受け付けております。

こちらのリンク【適正オイルのご質問】よりお気軽にお問合せください。

 

 

TAKMO(旧TAKUMIモータオイル)では、高性能ギアオイルもご用意しております。

MULTI GEAR / RACING GEARシリーズ

75W-90/75W-140/85W-140

一般走行からスポーツ走行まで使用可能なMULTI GEAR シリーズは、主にマニュアルトランスミッションに使用される【GL-4規格】と、主にディファレンシャルギアやトランスファーギアに使用される【GL-5規格】をラインナップ。製品容量も使用しやすい2L缶をご用意しております。
また、より過酷なモータースポーツに使用される方のために、RACING GEAR シリーズもご用意。より高粘度かつ極圧性能を高めたモデルであり「75W-140」と「85W-140」をラインナップしています。用途に合わせての選択が可能です。

 

他にも更に

TAKMOケミカルシリーズ

”愛車を守る品質。” の各種添加剤をラインナップ。エンジンオイルや燃料に添加剤を使用することで、ご自身の好みや目的に合わせてエンジンオイルをチューニングすることが可能です。DIYでのクルマいじりの楽しみも増えます。

 

TAKMOモーターバイクオイル

TAKMOでは、2輪バイク用のオイルも人気。JASO(日本自動車技術会)が定めた4サイクル二輪車用エンジンオイルの規格であるMA2規格を正式認証しています。マニュアルトランスミッションの2輪バイクに採用される湿式クラッチ搭載車に適しており、高性能な【MA2規格】と一般向けの【MA規格】に分類されますが、TAKMOではより高性能な【MA2規格】を採用しています。
粘度ラインナップはカブなどの小型バイク用に「GP RIDER 5W-30」、中型~大型バイクのツーリング用途に「GP PREMIUM 10W-40」、中型~大型バイクのスポーツ走行向けに「GP RACING 10W-50」をご用意しています。TAKMOは、あらゆるライディングシーンに応えていきます。

 

 

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